【Cybozu Days 2024】応援ありがとうございました

Cybozu Days 2024が幕張メッセで開催されました。

僕が所属するTEAM.KFCは2023年度のkintone show+caseの優勝者でした。2024年度はチャンピオンとして、show+case参加者のみなさんと、もう一度戦うことを選びました。

ずっと当日の内容をまとめようと思っていたのですが、あまりにも忙しくて時間を捻出できませんでした😅 12月に入ってだんだん整理がついてきたので、ここで書いておこうと思います。

当日の様子はASCIIさんの記事がありますので、こちらを読んでいただくとわかりやすいです!

全身全霊の6分間 今年のkintoneカスタム王は誰だ! (1/3)

Cybozu Days 2024で開催されたkintoneカスタマイズの祭典「kintone show+case Unlimited」をレポート

どんな発表をしたか

みなさんはkintoneのクラウド製品としての弱点を考えたことがありますか? 弱点・・・とは「追及していない機能」と言い換えてもいいかもしれません。

数種類思いつくのですが、そのなかで、「リアルタイム性がない」ということを取り上げました。

例えば、kintoneの通知。すぐに通知が来たか分かりませんよね? 画面を更新するとか、数秒経ってはじめてベルマークについたバッジに反映されます。SLACKやMessengerといった製品では、通信相手がキーボードで入力しているところまでも感じることができます。Notionであれば、同時に編集しているユーザーも見えます。

kintoneはそういった同期性を追求していない。なので、kintoneにリアルタイム性を持たせるとどうなるだろうか?

そのために、ぼくたちは、kintoneでライブをやりました😆

初音ミクに「LOVE kintone」を歌ってもらい、みんながサイリウムアプリを振る。そうすると、kintone画面に反映されるという内容です。

moji01@pulsar-works on X (formerly Twitter): “発表に利用したkintoneライブサイリウムですが、デモ版をご用意しました。ぜひスマートフォンでアクセスして、フルフルしてみてください。 #kintoneshowcasehttps://t.co/DLqu70ok1C / X”

発表に利用したkintoneライブサイリウムですが、デモ版をご用意しました。ぜひスマートフォンでアクセスして、フルフルしてみてください。 #kintoneshowcasehttps://t.co/DLqu70ok1C

結果は・・・

4位でした! 敗けたぁ!

敗けちゃいました😢 応援いただいた方々、ごめんなさい。

ぼくは今回の発表に自信があったのですが、ほかの参加者の発表が素晴らしかったですね。なぜぼくが自信があったかというと、以下の理由からです。

TEAM.KFCメンバーのバランスが良かった

前回のファミコンのときは、プログラム開発の作業量がめちゃくちゃ多くて、ぼくがプログラマーだったので、ずっと作っているという感じになっちゃっていました。逆に発表直前は森田さんの作業量が多くなったりして、ちぐはぐだったんですよね。

今回の発表は、音楽、ライブ動画、プログラムの作業ボリュームのバランスがよく、3人とも頑張れたということがあります。

観客もみんなで参加できる

ファミコンの場合は、みなさんが発表を眺めることしかできませんでした。今回はスマホを振って、スマホWebアプリも色が変わるし、音楽もあって楽しい発表だと思います。なので、一体感を生み出すことができると考えていました。

ぼくたちには「体験できるHack」という唯一の強みがありました。

敗けちゃったけど・・・

そんな自信があった発表だったのですが、4位という結果でした。ほかの方の発表が素晴らしかったですね。

TEAM.KFCのサイトでは、メンバーがいろいろな角度で、今回の発表の解説をしています。ぜひご覧ください。

👆でサイトにアクセス

他の方の発表について

舞台の裏から、他の参加者の発表をぼくも見ていました。早々に次の「東北の勇」チームに抜かれちゃったので、安心(おわったー)して観ることができました。

ここで他の方の発表について、まとめてみたいと思います。

kintone 東北の勇

kintoneのモバイル版を改善する案として「結モバイル」というUIを発表するという内容でした。

光成工業さんは、前年のCybozuAwardで「利用する方々に寄り添うアプリ」という論点で素晴らしい発表をされていました。その内容が具体的なHackとして結実していて、素晴らしいと思いました。

kintoneのスマートフォン対応については、サイボウズ社もかなり難しい課題じゃないかなと思っています。kintoneは「統一されたUI」である前提があり、「UI=データ」という構造です。そのなかでスマートフォン+PCでの「使いやすさ」を求めると、どこかでUI=データという構造が破綻するからです。

いもキャンOB・OG倶楽部

製造業の工場内でのkintoneシステム構築という内容でしたね😊 IoTデバイスM5Stackを利用したり、シグナルタワーを点灯させたり、具体的な活用術が示されていました。

ほかの発表との違いは「システム」をHackとして示されていることだと思います。プログラムはソフトウエアそのものですが、システムは人とマシンとの協奏の状態を指しています。kintoneを中心に製造業で働く現場の課題を楽しく解決できるものだと思いました。

余談ですが、仲良しチームなんだと感じられてほっこりしました😊

kintone芸人

生成AIを利用して、kintoneの設計情報を自動生成する。また生成AIに特定のデータ(kintone芸人コンテンツ!)を与えて、精度を高めるといった内容でした。

ぼくは「一番すごかったHack」だったと思います。点数も高かったです。なぜすごかったか。それはkintone芸人(イクタさん)のこれまでの取り組みが発表に結実している点です。

2022年のHackでは、kintoneアプリにアプリ構造を持たせて、別のkintoneアプリを管理してしまうという内容でした。2024では、そのkintoneアプリ管理kintoneアプリに対して、生成AIを載せたものでした。本番発表ではさらに「kintone芸人」のコンテンツを生成AIのチューニングに利用するという内容でした。

これまでのイクタさんの取り組みがすべてHackにまとまっていて、これがすごいと思いました。

チームNSD-SDG

なかよし家族が「アクセス犬」を紹介するといった内容で、実際の内容はかなり質実剛健なHackだったのですが、ほっこりしましたね。

ではその内容とは何かというと、アクセス権の集中管理と設定作業補助です。

kintoneはますます大規模な企業でプラットホームとして利用されるようになり、アクセス権の管理は多くの管理者の課題になる内容だと思います。実際ぼくも案件で苦労しています。

そんな時に助けてくれる「アクセス犬」がいたらいいなと思いました。

Crena

kintoneのプラグイン問題に踏み込む、プラットホーム「プラグインマネージャー」

kintoneのプラグインはとっても自由で、誰でも開発+公開ができてしまいます。AppleStoreとかGooglePlayStoreのような登録ベンダー制度をサイボウズ社がとってないということも言えます。

「プラグインマネージャー」はそんな在野のプラグイン達をまとめて管理してしまう。kintoneのHackと思いきや、内容はkintoneの制度そのものをHackするといった野心的なアイデアでした。

プラグインを集中管理できれば、アプリ間の設定移動や、開発と本番の同期も可能になるかも。夢があるHackだなぁと感じました。

KTK…(今年こそ…)

優勝おめでとうございます! 大変すばらしいHackだったと思います。

内容は「逆プリントクリエイター」ですね。i-reporterみたいな、「デジタル入力できる帳票」を実現するkintoneプラグインです。

なにより、具体的な製品としてすぐに利用できる、素晴らしい完成度。それに伴う「具体的な問題解決」が観客席のみなさんも分かりやすく、「あれ、ほしい!」となる内容でした。

僕は2023年に優勝させていただきましたが、そのときの他の発表者の中で、永田さんのCustomizeEditorが大変すばらしく、本当にすごい技術だと思っていました。

2024年度は4度目の挑戦ということで、すばらしい優勝だったと思います。

kintone hackとは

最後にkintone hack(show+case)を通じて、ぼくが理解した内容を記しておきたいと思います。

ぼくたちTEAM.KFCは、実は最初のころ、別のHackを試していました。それは生成AIを利用したものだったのですが、まったくうまくいきませんでした。

なぜうまくいかなかったか。それは「ある世界の課題を見つけて、それを解決できるものを作る」というアプローチをしていたからだと考えています。

Hack、技術、DXといった「技術が世界を変える」といった現象は、「先に技術・体験があって、それに課題が続く」という構造になっているということがわかりました。

kintoneを導入するとき、「ある課題の解決にkintoneを入れよう(案件管理に使おう)」と、予算をとり、導入します。

しかし、DXに成功している現場では、ある目的のために入れたkintoneが「○○にkintone使えるんじゃない?」といった逆の現象が発生し、利用が拡大していきます。実際にお客様もそうだし、kintoneHiveなどの事例もその構造を持っています。

ぼくたちの場合、なごのキャンパスで合宿中に、「スマホを振って色が変わるライブサイリウム」というアイデアが降ってきたんですよね。行き詰った森田さんがスマホを持って踊り始めたので、稲沢さんがLOVEBITESのライブ演出の話をして、「それできますよ😆」ってぼくが反応し、今回のアイデアに至りました。

なので、素晴らしいイカれたHackをするためには、社会の問題を解決しようとしてはいけない。技術でできる体験が先にあって、それに社会権をあたえるストーリーを与えてあげるという順序を保つ必要がある。

kintoneにはリアルタイム性がない云々を書きましたが、それは単なるストーリーで、実際に僕たちがやりたかったことは「kintoneでライブをやる」ことでした。


長くなりましたが、この記事は以上です。CybozuDays 2024、とっても楽しかったです。

👇当日の意気込みはこちらから。

【Cybozu Days 2024】来たる! Aquariusはギボンズさんのブースで

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